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2014/7/21

西欧

米製薬大手アッヴィ、シャイアー買収で合意

この記事の要約

米製薬大手アッヴィは18日、アイルランド同業シャイアーを買収することで合意したと発表した。アッヴィが5月から数度にわたって提案した買収は、価格が不満としてことごとく拒否されてきたが、14日に買収額を総額301億ポンドから […]

米製薬大手アッヴィは18日、アイルランド同業シャイアーを買収することで合意したと発表した。アッヴィが5月から数度にわたって提案した買収は、価格が不満としてことごとく拒否されてきたが、14日に買収額を総額301億ポンドから約320億ポンドに引き上げ、シャイアー経営陣の同意を取り付けた。

アッヴィはシャイアーの全株式を現金支払いと株式交換を組み合わせた形で取得する。1株当たりの買い取り価格は、前回の提案(8日)51.15ポンドを上回る53.19ポンド。現金部分を22.44ポンドから2ポンド上積みし、24.44ポンドに引き上げた。これをシャイアー経営陣が受け入れ、株主に買収に応じるよう勧告した。

シャイアーはアイルランドを本拠とし、ロンドン、ニューヨークに上場する製薬会社。希少病医薬品に特化した特殊医薬品会社で、注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬の「ビバンセ」「アデラルXR」が売上高の4割程度を占める。

売上高の6割を稼ぎ出すリウマチ性関節炎治療薬「ヒュミラ」の特許が2016年に切れるアッヴィは、特許失効をにらんだ収益基盤拡大のほか、税制上の本社を米国より法人税が低い英国に移し、コスト削減、競争力を強化するため、シャイアー買収を決めた。

両社は2014年10~12月期の買収手続き完了を予定している。