米グーグルは9日、EUの欧州委員会から競争法違反で巨額の制裁を科されたことを不服として、EU司法裁判所の一般裁判所に提訴したと発表した。同社は7月、携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」の市場支配力を乱用し、端末メーカーに自社の検索・閲覧アプリの搭載を強要しているとして、43億4,000万ユーロの制裁金支払いを命じられていた。
欧州委はグーグルがアンドロイドの圧倒的なシェアを背景に、端末メーカーが同社の検索アプリを初期設定でプリインストールしない限り、購入者がアンドロイド向けのデジタルコンテンツ配信サービス「グーグルプレイ」を利用できないようにしていたと指摘。これによって他社のアプリを市場から締め出しているとして、制裁を決めた。EU競争法違反をめぐる制裁としては、グーグルが買い物検索で自社の商品比較サイトを優先的に表示していることが問題視されたケースの24億ユーロを上回り、過去最高額となる。
グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は欧州委が制裁を決めた際、「端末メーカーはグーグルのアプリと並行して競合他社の製品を採用することが可能で、消費者も自由にアプリを選ぶことができる」と反論。EU司法裁判所に提訴する構えをみせていた。