欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/21

東欧・ロシア・その他

トルコ中銀が3カ月連続利下げ、政策金利0.5ポイント引き下げ

この記事の要約

トルコ中央銀行は17日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を現行の8.75%から0.5ポイント引き下げ、8.25%にすると発表した。政府の利下げ圧力が強まっていることを受けたもので、3カ月連続の金 […]

トルコ中央銀行は17日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を現行の8.75%から0.5ポイント引き下げ、8.25%にすると発表した。政府の利下げ圧力が強まっていることを受けたもので、3カ月連続の金融緩和となる。ただ、中銀はインフレ、通貨安進行の懸念を考慮し、政府の要求を下回る小幅の利下げにとどめた。

中銀は翌日物借入金利も8%から7.5%に引き下げた。翌日物貸出金利は12%に据え置いた。

8月に大統領選を控えるエルドアン政権は、景気を浮揚して支持拡大を図るため、このところ中銀に大幅な利下げを求めている。中銀は1月、米国の量的金融緩和縮小などの影響で進行しているリラ安を食い止めるため、7日物レポ金利を5.5%から10%に引き上げるという大幅利上げを実施したばかりだが、この圧力に屈して、5月に0.5ポイントの利下げを実施。6月にも追加金融緩和を実施し、同金利を0.75ポイント引き下げた。

中銀は今回、リラ安に歯止めがかかっていることなどから、再利下げを決めた。しかし、6月のインフレ率が前年同月比9.16%と、前月の9.66%から縮小したものの、なお上限目標値である7.6%を大きく上回っており、リラ安の懸念もくすぶっていることから、利下げは政府の要求に反して小幅に抑えた。

エルドアン政権は政策金利を1月の利上げの前の水準まで引き下げるよう圧力をかけているが、中銀は言いなりでは独立性が一層疑われ、為替、物価動向にも目配せする必要があるため、難しい対応を迫られることになる。