2014/7/28

EU産業・貿易

30年までにエネ効率30%改善、欧州委が目標設定

この記事の要約

欧州委員会は23日、気候変動・エネルギー政策の柱として、2030年までにEU域内のエネルギー効率を07年比で30%改善するという目標を発表した。一段の省エネを進めることでEU域外からの天然ガスなどの輸入を減らし、エネルギ […]

欧州委員会は23日、気候変動・エネルギー政策の柱として、2030年までにEU域内のエネルギー効率を07年比で30%改善するという目標を発表した。一段の省エネを進めることでEU域外からの天然ガスなどの輸入を減らし、エネルギー安全保障を強化する。欧州委はこれまでに温室効果ガス排出量と再生可能エネルギーの利用比率に関する30年までの数値目標を打ち出しており、今回のエネルギー効率化目標と併せて10月のEU首脳会議で議論される。

EUはこれまで、エネルギー効率の改善を通じて20年までに域内におけるエネルギー消費量を20%削減する目標を掲げ、加盟国に省エネ目標の設定などを義務付けている。欧州委によると、現状では20年までのエネルギー効率の改善は18~19%にとどまる見通しで、加盟国は目標達成に向けてさらなる取り組みが求められる。ただ、欧州委はすべての国がこれまでに合意された施策を完全に実施した場合、「目標達成は可能」とみており、現時点で新たな規制を導入する考えはないと結論づけている。

EUでは緊迫するウクライナ情勢を背景に、エネルギー分野での脱ロシア依存が急務となっており、欧州委は1月、30年までに温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減するとともに、再生可能エネルギーの利用比率を27%以上に拡大するという中期目標を発表。排出削減目標の達成に向けて鍵となるエネルギー効率に関しては、費用対効果やエネルギー資源の輸入依存度などを細かく分析したうえで、具体的な数値目標について検討を進めていた。

欧州委は、仮に目標を25%に設定した場合、天然ガスの輸入は30年までに9%削減され、目標を35%に引き上げると削減幅は33%に拡大すると試算している。

エネルギー効率化目標をめぐっては、ドイツやデンマークなどが35%以上の野心的な水準に設定すべきだと主張する一方、ポーランドをはじめとする東欧諸国は目標達成に必要なコスト負担への懸念から、高い目標設定に強く反対し、加盟国の間で激しい駆け引きが展開されていた。エネルギー効率を高めるには建物の改装や暖房設備の改善、スマートグリッドの設置などを進めなければならず、欧州委によると、30%の目標を達成するには年間890億ユーロの投資が必要とみられている。

欧州委のエッティンガー副委員長(エネルギー政策担当)は「今回の提案はエネルギーの安定供給を確保し、イノベーションと持続可能な成長を促すための土台となるもので、野心的であると同時に現実的な目標だ」と強調している。