2014/8/4

総合 – 欧州経済ニュース

EUが対ロシア制裁を大幅強化、主要5行の域内資金調達禁止

この記事の要約

EUは7月31日、対ロシア追加制裁の対象となる銀行のリストを発表した。ズベルバンク、VTBバンク、ガスプロムバンク、開発対外経済銀行(VEB)、ロスセリホズバンク(ロシア農業銀行)の政府系大手5行で、EU内の企業や個人は […]

EUは7月31日、対ロシア追加制裁の対象となる銀行のリストを発表した。ズベルバンク、VTBバンク、ガスプロムバンク、開発対外経済銀行(VEB)、ロスセリホズバンク(ロシア農業銀行)の政府系大手5行で、EU内の企業や個人は1日以降、これらの銀行が新規に発行する株式・債券などを購入、または売却することが禁じられる。これにより、政府系銀行は長期の資金調達や債務償還などが難しくなり、ロシア経済に悪影響が出ることが予想される。

EUは7月29日に開いた大使級会合で、マレーシア航空機が撃墜された後も、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を支援し続けているとして、同国に対する制裁を強化することで合意。◇金融取引の制限◇新規の武器取引の禁止◇石油分野の技術供与の制限◇武器への転用可能な技術供与の制限――などを実施することを決めた。30日にはグロモフ大統領府第1副長官やロシア銀行の筆頭株主であるコバルチュク氏などプーチン大統領に近い富豪ら8人と、ロシア・ナショナル商業銀行(RNCB)、対空防衛システムメーカーのアルマズ・アンテイ、アエロフロート傘下の格安航空会社ドブロリョート航空の3社に対し、新たに渡航禁止と資産凍結の制裁を発動した。

EUはウクライナ情勢の緊張を受けて、今年3月以降ロシアに対する制裁を段階的に強化し、プーチン政権の高官などに対して渡航禁止や資産凍結などの制裁を科してきた。ただ、天然ガスの約3割をロシアからの輸入に依存していることに加え、ロシアと経済面でつながりの深い加盟国が多いことから、米国並みに厳しい制裁には慎重な姿勢を示していた。しかし、マレーシア機撃墜事件で200人を超えるEU市民が犠牲となったことで態度を硬化させ、本格的な経済制裁発動にかじを切った。