欧州風力エネルギー協会(EWEA)は23日発表したリポートで、EU28カ国では2020年までの7年間に合計出力75ギガワット(GW)の発電施設が新たに設置され、20年の風力発電の発電容量は13年を64%上回る192.4GWに達するとの見通しを示した。ただ、同予測は当初の約230GWから下方修正された。
同予測によると、2020年の発電容量は、海上風力発電施設が168.9GW、同陸上が23.5GWとなる見込み。関連プロジェクトの投資額は総額1,240億ユーロに達すると予想している。
国別ではドイツが13年の34.3GWから51.5GWに拡大し、域内最大の風力発電国となる見込み。主要国では英国で倍増の21GW、フランスで2倍以上の20GW、ポーランドで約3倍の10GW、スペインで23GWから26GW、イタリアで8.5GWから12GWに増えると予測している。
20年の風力発電の総発電量は441.7テラワット時(TWh)で、域内の電力需要の14.9%を賄う規模になると見込んでいる。
EWEAは発電容量のほか、総発電量も当初予測の581 TWhから下方修正した。これついては、スペインが再生可能エネルギーへの助成制度を廃止するなど、EU内のエネルギー関連の規制環境が不透明なことを理由に挙げている。