欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/28

EUその他

グーグルの検索サービスに対する調査、欧州委が追加の改善策を要求か

この記事の要約

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委が同社にさらなる改善策を要求する可能性が浮上している。欧州委は2月、グーグルが提示し […]

米インターネット検索サービス大手グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委が同社にさらなる改善策を要求する可能性が浮上している。欧州委は2月、グーグルが提示した改善策を受け入れて同社に対する調査を打ち切る方針を打ち出し、利害関係者から意見を聞いていた。関係筋によると、これまでに複数の競合企業から強い反対が出たため、欧州委は和解案の見直しを検討しているという。

欧州委はグーグルが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスをライバル社よりも優先的に表示していると主張する競合他社からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。12年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。グーグルは巨額の制裁金を回避するため、昨年末までに3回にわたり欧州委に改善策を提示。新たに検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの是正策を打ち出し、欧州委は最終的にこれを受け入れてグーグルと和解する方針を固めた。

しかし、域内に拠点を置くインターネット関連企業などの間では、グーグルが検索市場における圧倒的なシェアを背景に競合他社を差別しているとの懸念が根強く、欧州委に対しグーグルとの和解に応じないよう求める声が高まっている。関係筋によると、欧州委はこうした動きを受け、グーグルに対して検索結果ページでのリンク先の見せ方や、広告の掲載位置を決める際の入札メカニズムなどについてさらに改善を求める可能性があるという。

欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は9月中にグーグルと和解するか、さらに調査を進めるか結論を出す見通しだが、仮に現行の和解案を拒否した場合、同事案は11月に就任予定の後任に委ねられることになる。