欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/28

EUその他

緊急避妊薬、体重の重い女性にも効果=欧州医薬品庁

この記事の要約

欧州医薬品庁(EMA)は24日、緊急避妊薬(モーニングアフターピル)は、服用する女性の体重の多寡にかかわらず効果があるとの見解を示した。 黄体ホルモン剤レボノルゲストレルを有効成分とする緊急避妊薬「ノルレボ」を製造してい […]

欧州医薬品庁(EMA)は24日、緊急避妊薬(モーニングアフターピル)は、服用する女性の体重の多寡にかかわらず効果があるとの見解を示した。

黄体ホルモン剤レボノルゲストレルを有効成分とする緊急避妊薬「ノルレボ」を製造しているフランスの製薬会社ラボラトワール・HRAファルマ(HRA)は昨年11月、臨床研究の結果に基づき製品情報の内容を改訂。同薬は体重が75キログラム以上の女性には効果が現れにくく、80キロ以上の女性にとっては全く効果が期待できないとした。EMAの欧州医薬品評価委員会(CHMP)はこれを受け、同様の情報がレボノルゲストレルを主成分とする他の緊急避妊薬にも表示されるべきかを判断するため調査を行っていた。

CHMPは、レボノルゲストレルを含有する緊急避妊薬の有効性に関する入手可能なすべてのエビデンスを審査した結果、体重が重くなると緊急避妊薬の効果が低くなると断定するに足る十分なデータはないとの見解を示した。また、ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とする緊急避妊薬についても、一部の臨床研究では体重が重いと避妊効果が低下することが示唆されているものの、データは限定的で精度が不十分であり、確定的な結論を出すことはできないと指摘。そのうえで、これらの研究結果を緊急避妊薬の製品情報に表示する一方、ノルレボの製品情報から体重の影響に関する記述を削除するよう勧告した。

CHMPの勧告は欧州委員会に送られ、欧州委は勧告に基づき法的拘束力のある決定を下すことになる。