英金融当局がゴールドマンに制裁金、取引報告義務違反では過去最高額

英金融行為監督機構(FCA)は3月28日、米金融大手ゴールドマン・サックスの英子会社ゴールドマン・サックス・インターナショナルに制裁金3,430万ポンド(約49億6,400万円)を科したと発表した。同行がEUの金融商品市場指令(MiFID)に基づく取引情報の報告義務を怠ったため。ゴールドマンへの制裁金は、取引報告義務違反に対する処分として過去最高額となった。

EU域内で活動する金融機関はMiFIDに基づき、拠点を置く国の金融当局に取引情報を報告することが義務付けられている。FCAによると、ゴールドマンが2007年末から2017年3月にかけて報告した取引情報のうち、2億2,020万件に不備があった。2億1,360の報告に不正確な情報や不十分な点があったほか、本来は報告義務のない660万件の取引情報を誤って提出していた。FCAは当初、UBSに4,900万ポンドの制裁金を科す計画だったが、同行が早い段階で違反を認めたため、30%減額された。

FCAは3月19日、スイスの大手金融グループUBSに同じく取引報告義務違反で2,760万ポンドの制裁金を科したと発表していた。今回のゴールドマンへの処分で、FCAによる取引報告過誤に対する制裁は合わせて14件となった。

上部へスクロール