携帯電話サービス大手の英ボーダフォンは13日、ニュージーランド事業を売却すると発表した。欧州事業に集中する戦略の一環で、現地子会社ボーダフォン・ニュージーランドを同国のインフラ投資会社インフラティルとカナダの資産管理会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントに34億ニュージーランドドル(約2,454億円)で売却する。
ボーダフォン・ニュージーランドは同国2位の携帯電話サービス会社。約40%のシェアを握り、契約者は約200万人に上る。インフラティルとブルックフィールドはそれぞれ同社の株式49%を取得する。
ボーダフォンは欧州事業に集中するため、オーストラリアとニュージーランド事業の縮小を模索してきた。ニュージーランド事業に関しては、同国有料放送最大手スカイ・ネットワーク・テレビジョンに34億4,000万ニュージーランドドルで売却することで2017年に合意したが、同国当局から健全な競争が阻害されるとして承認を得られなかった経緯がある。
オーストラリア事業については、同国通信大手TPGと合併で合意したが、オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)が8日、同じく競争上の問題で認可しない方針を打ち出した。