欧州委員会は6月26日、米通信用半導体大手のブロードコムがEU競争法に違反している疑いがあるとして、正式な調査を開始したと発表した。ケーブルテレビ専用受信機(セットトップボックス=STB)用半導体とSTBモデム用半導体市場での寡占的な地位を悪用し、他社を不当に締め出した疑いが浮上しており、調査終了前に暫定的な改善措置を命じる方針だ。
欧州委によると、ブロードコムはSTB用半導体とSTBモデムの製造販売を手がける世界の主要7社に対して、リベート支払いなどの見返りとして、同社製以外の半導体を扱わないことを迫る契約を結ぶ形で、他社を排除している疑いがある。
EUでは競争法違反をめぐる案件で、通常は調査を開始し、違法行為の疑いが濃厚となった時点で異議告知書を送り、対象企業の反論などを受け付けた上で最終判断し、何らかの処分を下す。
今回のケースについては、市場に及ぼす影響が甚大で、消費者の選択肢を大きく狭めているとして、調査開始と同時に異議告知書を送付。結論を出す前に暫定措置を発動することを決めた。問題視している行為の中止を迫るとみられる。