VWの商用車部門が上場、IPOで15.5億ユーロ調達

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)の商用車部門トレイトン・グループが6月28日、フランクフルトとストックホルムの証券取引所に上場した。VWは新規株式公開(IPO)で15億5,000万ユーロを調達。同資金を電気自動車(EV)の量産化などに充てる。

VWは4月、グループを大衆車、高級車、超高級車、商用車の4部門に再編した上で、乗用車事業との関連が薄い商用車部門を株式会社化し、事業の拡大や強化に向けた資金を調達しやすくする意向を表明。独MANやスカニア(スウェーデン)を含む商用車部門を統括する子会社フォルクスワーゲン・トラック・アンド・バス(VWTB)をトレイトン・グループに改名し、上場させることを決めた。

トレイトンのIPOは当初、イースター休暇(4月19~22日)前に実施する方針だった。しかし、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱をめぐる混迷などを背景に株式市場で不透明感が強まっていたことから、先送りしていた。

予定より2カ月遅れで上場を果たしたが、VWは市況を考慮し、公開する株式を当初予定していた最大25%から11.5%に縮小。最大33ユーロとしていたIPOの売り出し価格も27ユーロと低めに設定した。

それでも上場初日の寄り付きは売り出し価格を下回り、一時は2.4%安の26.36ユーロまで下げた。

上部へスクロール