欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/4

西欧

仏イリアッドがTモバイルUSに買収提案、ソフトバンクに対抗

この記事の要約

仏通信大手のイリアッドは7月31日、ドイツテレコムの米携帯電話サービス部門であるTモバイルUSに150億ドルでの買収を提案したと発表した。TモバイルUSにはソフトバンク傘下のスプリントが買収に乗り出しており、これに対抗す […]

仏通信大手のイリアッドは7月31日、ドイツテレコムの米携帯電話サービス部門であるTモバイルUSに150億ドルでの買収を提案したと発表した。TモバイルUSにはソフトバンク傘下のスプリントが買収に乗り出しており、これに対抗する形となる。

イリアッドはTモバイルUSの株式56.6%を1株当たり33%で取得することを提案している。同価格はスプリントによる買収の観測が浮上する直前の株価に42%を上乗せした水準となる。

イリアッドは傘下のフリー・モバイルを通じて、2012年に仏携帯電話サービス市場に参入。低料金を武器にシェアを急速に伸ばしており、同分野で最大手オレンジ(旧フランステレコム)、SFR、ブイグ・テレコムに次ぐ4位に付けている。携帯電話のほか、インターネット、ケーブルテレビ事業も手掛けている。

米4位の携帯電話サービス会社であるTモバイルUSをめぐっては、同4位スプリントが買収に向けた協議を行っている。報道によると、提案した1株当たりの買い取り価格は40ドル。

イリアッドが提案した買収額はスプリントを下回る。しかし、スプリントとTモバイルUSの合併に独占禁止上の問題が生じるのに対して、イリアッドは米国で事業を展開していないことから、米当局の認可を確実に取り付けられると述べ、同社の提案のメリットを強調している。

イリアッドは買収資金を新株発行による増資と銀行からの借り入れで賄う方針を示している。