欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/4

西欧

ポルトガル最大手銀、上期に過去最悪の赤字

この記事の要約

ポルトガル最大手銀行のバンコ・エスピリト・サント(BES)は7月30日、2014年6月中間期の最終損益が35億8,000万ユーロの赤字だったと発表した。親会社で筆頭株主であるエスピリト・サント・インターナショナル(ESI […]

ポルトガル最大手銀行のバンコ・エスピリト・サント(BES)は7月30日、2014年6月中間期の最終損益が35億8,000万ユーロの赤字だったと発表した。親会社で筆頭株主であるエスピリト・サント・インターナショナル(ESI)の経営不安で巨額の引当金計上を迫られたためで、赤字は前年同期の2億3,740万リンギから大幅に膨らみ、過去最悪の規模となった。

ESIは経営に行き詰まり、7月になって短期債務の返済を停止。本社があるルクセンブルク当局に資産保全を申請する事態に追い込まれた。これを受けて同社に多額の債権を持つBESは同期に42億5,000万ユーロの引当金を計上し、財務が大幅に悪化した。

BESは資本に21億ユーロの余力があると発表していたが、引当金は同額を大きく上回り、中核的自己資本比率は5%と、ポルトガル中央銀行が定める最低水準の7%を割り込んだ。このため同行は資本増強を求められる。

BESの株価は7月に入って42%下落していたが、今回の決算発表を受けて売りが加速し、30日の終値は前日比10.6%安の0.0347ユーロまで値下がりし、過去最安値を更新した。