欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/18

総合 – 欧州経済ニュース

EU、青果生産者を支援へ、ロシアの禁輸措置受け

この記事の要約

ロシアが欧米などの国々の一部の農水産品の禁輸に踏み切ったことを受け、欧州委員会は14日、生鮮青果の生産者に対する支援を実施すると発表した。近く具体策を明らかにする。 ロシアのメドベージェフ首相は7日、ウクライナ情勢をめぐ […]

ロシアが欧米などの国々の一部の農水産品の禁輸に踏み切ったことを受け、欧州委員会は14日、生鮮青果の生産者に対する支援を実施すると発表した。近く具体策を明らかにする。

ロシアのメドベージェフ首相は7日、ウクライナ情勢をめぐる対ロ制裁への報復としてEU、米国、オーストラリア、カナダ、ノルウェー産の青果や肉類、乳製品などを1年間禁輸すると発表。ロシアとの経済的な結び付きが強い中東欧諸国や旧ソ連圏のバルト三国を中心に影響が出始めている。これを受けて欧州委員会は14日、域内の農業専門家を集めた会合を開いて対応策を協議。チオロシュ委員(農業・農村開発担当)は会合後に声明を発表し、「明らかな困難に陥っている」生鮮青果生産者に対する支援策を「来週の早い時期」に公表すると述べた。

ダウジョーンズがEU高官の話として伝えたところによると、支援策にはキュウリ、トマト、カリフラワーなど現在収穫の最盛期を迎えている青果の生産者に対する補償措置が盛り込まれ、補償額は数千万ユーロにのぼる可能性があるという。さらに、リンゴやナシなどその他の青果の生産者についても支援を検討する方針だ。昨年のEUからロシアへの農産品の輸出額は118億ユーロで、輸出全体の9.9%を占めた。

ロシア政府はまた、欧米の航空会社に対してロシア領空の通過を制限または禁止することを検討している。国営航空アエロフロート傘下の格安航空会社「ドブロリョート」がEUの制裁で運航停止となったことに対する報復措置で、実施されれば日本などアジアと欧州を結ぶ航空路線に大きな影響が出ることが予想される。