伊で第2次コンテ内閣が発足、新政権は親EU路線へ

イタリアで5日、ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と中道左派「民主党」によるコンテ首相の第2次連立内閣が発足した。これで早期総選挙は回避され、約1カ月続いた政局の混迷はようやく収束した。反EUを掲げる右派「同盟」が野党に転落し、新政権は親EU路線を強めるとみられている。

新政権の閣僚は21人で、五つ星から10人、民主党から9人が入閣した。五つ星のディマイオ党首は外相に就任。経済財務相には民主党のグアルティエリ欧州議員が起用された。欧州関係担当相も親EUの民主党から起用。連立に加わった少数政党の中道左派「自由と平等」からも1人が入閣した。

また、前政権ではディマイオ氏と同盟を率いるサルビーニ前内相の副首相2人による主導権争いが連立崩壊につながったことから、新体制では副首相のポストが廃止された。

新政権が取り組む最初の課題は2020年度予算案の策定。連立与党は政策綱領で、景気押し上げのための拡張政策や、付加価値税(VAT)引き上げの回避などを打ち出している。ただ、もともと五つ星と民主党は財政政策や議員定数の削減などで立場が異なり、政権内で対立が表面化した場合、コンテ氏は再び政権運営が困難になる可能性もある。

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