スペインで11月に総選挙か、過去4年で4度目

スペインのサンチェス首相は17日、組閣交渉が不調に終わったとして、11月10日に総選挙が行われるとの見通しを明らかにした。組閣期限は23日だが、王室報道官も同日、連立協議を促すため各党代表と会談した国王フェリペ6世が「議会の信任が見込める候補がいない」と結論づけ、首相候補を提案しない方針だと表明した。スペインでは今年4月の総選挙以降、新政権が樹立できておらず、再選挙が決まれば過去4年で4回目の総選挙となる。

4月の総選挙では、サンチェス氏率いる中道左派・社会労働党が123議席を獲得して第1党となった。しかし過半数には届かず、他党との連携を模索したものの、連立交渉が難航して新政権を樹立できずにいる。下院は7月、暫定政権を率いるサンチェス首相の信任投票を行い、反対多数で否決。サンチェス氏は総選挙で42議席を獲得した急進左派ポデモスとの間で連立交渉を続けてきたが、ポデモス側が要求した閣僚ポストをサンチェス氏が拒否し、交渉が決裂した。

スペインでは1970年代以降、社会労働党と中道右派・国民党による二大政党制が続いていたが、2010年代に入るとポデモスなど新興政党が台頭。15年の総選挙ではラホイ首相率いる与党・国民党が議席の過半数を獲得できず、組閣交渉が不調に終わったため、翌年に再選挙を実施。それ以降、安定政権の樹立が困難になっている。

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