ドイツ連邦統計局が14日発表した2019年7~9月期の国内総生産(GDP)は実質ベースで前期比0.1%増となり、前期の0.2%減から回復した。内需の伸びに支えられ、かろうじて景気後退(2四半期連続のマイナス成長)入りは回避した。
ドイツ経済は輸出依存度が高く、自動車を中心とする製造業が米中貿易摩擦や英国のEU離脱をめぐる混迷などに伴う世界経済の減速で打撃を受けている。このため、市場では7~9月期が前期に続いてマイナス成長となり、景気後退局面に入るとの見方が広がっていた。
しかし、個人消費、政府支出、建設投資が伸びたほか、輸出が小幅ながら増え、プラス成長に転じた。ただ、独経済を取り巻く環境は依然として厳しく、経済界では景気の下支えに向けた財政出動を求める動きが広がっている。
EU統計局ユーロスタットが同日に発表した7~9月期の域内総生産(GDP)の最新統計によると、ユーロ圏のGDPは速報値と同じ前期比0.2%増となり、前期から横ばいだった。(表参照)
速報値にはドイツのデータが反映されていなかったため、下方修正の可能性が指摘されていたが、改定はなかった。前年同期比の伸び率は1.1%から1.2%に上方修正された。
EU28カ国ベースのGDPは前期比0.3%増、前年同期比1.3%増だった。前期比は速報値と同水準。前年同期比は0.1ポイント下方修正された。
ドイツ以外の主要国の伸び率(前期比)はフランスが0.3%、イタリアが0.1%、スペインが0.4%。英国は4~6月期のGDPが、前期にEU離脱に備えて企業が在庫を積み増す動きが広がり、高い成長を遂げた反動で0.2%減となっていたが、0.3%増とプラス成長に復帰した。