破綻の英鉄鋼大手、中国企業が買収で基本合意

中国の複合企業・敬業集団は11日、経営破綻した英鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールの買収で基本合意したと発表した。トルコ企業による買収が破談となり、厳しい状況にあったブリティッシュ・スチールは、中国企業の支援で再建を進めることになった。

買収額は明らかにされていないが、英BBCは7,000万ポンド(約98億円)と報じている。敬業集団は買収が正式に決まれば、10年間で12億ポンドを投じ、ブリティッシュ・スチールの製鉄所の増強や環境対策、省エネ化などを進める意向を表明した。

ブリティッシュ・スチールは、英投資会社グレイブル・キャピタルがインド鉄鋼大手タタ・スチールの欧州条鋼事業を買収して発足した国内2位の鉄鋼企業。経営環境が悪化する中、政府が追加支援を拒否して資金繰りに行き詰まり、5月に破綻に追い込まれた。

同社をめぐっては、トルコの複合企業オヤック・グループ傘下のアタエル・ホールディングが8月に買収で基本合意していた。しかし、その後の協議が難航し、実現に至らなかった。オヤック側がブリティッシュ・スチールのコスト削減策としてサプライヤーに求めた値引きが拒否されたことが理由とされる。

これを受けて管財人が新たな売却先を探した結果、敬業集団と基本合意に達した。敬業集団は鉄鋼のほか化学、不動産、ホテル運営などを手がける企業。

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