インド鉄鋼大手のタタ製鉄は18日、欧州事業で最大3,000人を削減すると発表した。経営環境悪化に伴うコスト削減の一環。削減規模は欧州の従業員の15%に相当する規模となる。
タタ製鉄は欧州3位の製鉄会社。同社は欧州の鉄鋼市場が供給過剰、需要減退で厳しい状況にあることから、2017年に独ティッセンクルップと欧州鉄鋼事業を統合することで合意した。コスト削減で競争力を強化し、低価格の鉄鋼製品を欧州に輸出する中国の鉄鋼メーカーに対抗する意図があった。しかし、EUの欧州委員会が6月、競争政策上の観点から統合を阻止していた。
タタ製鉄は欧州部門のタタ・スチール・ヨーロッパが米中貿易摩擦の影響で需要が減るなど経営が厳しさを増していることから、大規模なリストラに踏み切った。削減の3分の2は事務職が対象となる。欧州で展開する生産拠点は閉鎖せず、操業を継続する。