欧州の多国籍取引所ユーロネクストは5日、北欧の電力取引所ノルドプールの株式66%を取得することで合意したと発表した。ユーロネクストは今年6月にオスロ証券取引所グループを買収しており、ノルドプールの経営権取得により北欧での事業基盤が大幅に強化される。
発表文によると、ユーロネクストはノルドプールを共同保有する北欧・バルト海沿岸諸国のエネルギー企業7社から現金8億5,000万ノルウェー・クローネ(約8,400万ユーロ)で株式を買い取る。
ノルドプールはノルウェーの電力自由化を受けて1993年に誕生した取引所。その後スウェーデン、フィンランド、デンマークが加わり、2000年までに北欧4カ国共同の電力取引市場が実現した。2018年の取引量は524テラワット時、売上高は約4,000万ユーロに上った。
ユーロネクストは細分化された欧州市場で主導権を握るため、買収による基盤強化を進めている。先月にはスペインの証券取引所運営会社ボルサス・イ・メルカードス・エスパニョーレス(BME)と買収に向けた協議を行っていることを明らかにした。BMEに対しては、スイス証券取引所を運営するSIXグループも買収案を提示している。
ブジュナ最高経営責任者(CEO)は「ノルドプールとの取引が成立すると、北欧市場でプレゼンスを高めると同時に、事業を多角化してコモディティ取引を強化するというユーロネクストの戦略が大きく前進する」と述べた。