エールフランスKLM、ヴァージン航空の株式取得を撤回

欧州航空大手のエールフランスKLMは4日、英ヴァージン・アトランティック航空の株式を取得する計画を撤回すると発表した。両社と米デルタ航空の提携は予定通り進めるとしている。

エールフランスKLMは2017年、英有力実業家リチャード・ブランソン氏が率いるヴァージン・グループから傘下のヴァージン・アトランティックの株式31%を2億2000万ポンド(約314億円)で取得することで合意。ヴァージン・アトランティックの株式49%を保有するデルタに次ぐ大株主となり、同社をデルタと共同経営することが決まった。さらに、エールフランスKLMとデルタ、ヴァージン・アトランティックは大西洋路線の強化に向けた業務提携でも合意し、合弁会社を設立することになっている。

エールフランスKLMは声明で、株式取得撤回について「もはや取得の必要性がなくなった」とコメントした。

同取引をめぐっては、ブランソン氏がヴァージン・アトランティックの経営権を失うことに難色を示していたとされる。株式売却の中止によって、持ち株比率は51%のままとなり、経営権を維持できる。

エールフランスKLMは機材刷新などによって事業を強化する戦略を打ち出したばかり。ヴァージン・グループが合弁事業でのエールフランスKLMの立場について、ヴァージン・アトランティックへの出資を取りやめても変わらないと約束したことから、資金を株式取得より同戦略に回す方が得策と判断したもようだ。

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