独コベストロが米工場建設を休止、市場環境の悪化で

化学大手の独コベストロは22日、米テキサス州ベイタウンで進めているメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)工場の建設を休止すると発表した。市場環境が悪化しているためで、現在の工期の終了後18~24カ月、工事を停止する。

MDIは塗料や接着剤、スポンジ、断熱材、ストレッチ繊維、靴底、自動車部品など幅広い分野で利用されるポリウレタンの原料。コベストロは2018年10月、ベイタウンにある既存プラント内に年産能力50万トンのMDI工場を建設する計画を発表した。投資額は約15億ユーロで、個別投資では同社史上最大。24年の操業開始を予定していた。

だが、米中の通商摩擦や自動車業界の景気低迷を受けてMDIの需要が振るわないことから、操業開始を先送りすることにした。

マルクス・シュタイレマン社長は先ごろ『南ドイツ新聞』のインタビューで、「川下業界の成長は短期的に期待できない。だが、長期的には(需要拡大の)トレンドに変わりはない」と述べ、市場低迷は一時的なものだとの見方を示した。

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