欧州委員会は1月30日、米メディア大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサル(NBCU)が人気映画のキャラクターを使った商品の域内における越境販売を不当に制限し、EU競争法に違反したとして1,430万ユーロ(約17億1,800万円)の制裁金を科したと発表した。NBCUは欧州委の調査に協力したため、規定の制裁金から40%減額された。
問題となっていたのは、NBCUが権利を保有するSFアドベンチャー「ジュラシック・パーク」や3Dコンピュータアニメーション「ミニオンズ」、1998年製作のコメディ映画「ビッグ・リボウスキ」などのキャラクターやロゴマークを使った玩具や衣類などのライセンス商品を巡る商慣行。欧州委はNBCUがライセンス契約を結んだ事業者の販売活動を不当に制限している疑いがあるとして、2017年6月から調査を進めていた。
欧州委によると、NBCUは13年から19年9月まで約6年半にわたり、オンライン取引を含めて域内での国境を越えた販売を制限したり、取引先を制限するなど、反競争的な商慣行を継続していた。ベステアー上級副委員長は「こうした販売活動の制限が消費者の選択肢を狭め、価格上昇を招いた可能性がある。単一市場の土台を損なう行為であり、容認することはできない」と述べた。
ロゴやキャラクターを利用したライセンス商品を巡っては、NBCUと同時にサンリオと米スポーツ用品大手ナイキも欧州委による調査の対象となった。欧州委はいずれもライセンス契約を結んだ事業者の販売活動を不当に制限していたと認定。サンリオに対して19年7月に622万ユーロ、ナイキに対しては同3月に1,250万ユーロの制裁金支払いを命じている。