仏決済大手ワールドラインが同業アンジェニコ買収、世界4位に浮上

電子決済大手の仏ワールドラインは3日、同業の仏アンジェニコを78億ユーロで買収すると発表した。取引が成立するとワールドラインは成長分野の決済サービス市場で欧州最大手、世界4位に浮上する。

ワールドラインは仏ITサービス大手アトスが2014年に決済部門を分社化して誕生した企業で、欧州を中心にオンライン販売や電子チケット、フリート管理など幅広いサービスを提供している。一方、アンジェニコは世界有数の電子決済端末メーカー。両社を合わせた2019年の売上高は約53億ドル、従業員は約2万人に上る。

発表によると、アンジェニコの株主はワールドラインから1株当たり123.10ユーロを受け取る。これは1月31日の終値に17%上乗せした水準。統合後はワールドラインの出資比率が65%となる見通しだ。競争当局の審査を経て、2020年第3四半期の取引完了を見込む。

ワールドラインのジル・グラピネ会長兼最高経営責任者(CEO)は、買収による規模の拡大を図るうえでアンジェニコは地理的にも補完性が高いと強調。2024年までに年間2億5,000万ユーロのコスト削減効果が見込めるとし、両社の統合プロセスが順調に進めば、シェア拡大に向けてさらに積極経営を推進する考えを示した。

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