欧州委員会の複数の委員が17日、ブリュッセルで米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と相次ぎ会談した。交流サイト(SNS)や検索サイトを運営するデジタルプラットフォーマーの規制をめぐる意見交換の一環で、欧州委はフェイスブックに対し、インターネット上の偽情報やヘイトスピーチなど有害情報の防止策を強化するよう要請。適切に対処できない場合、年内にまとめる「デジタルサービス法案」に巨大プラットフォーマーに対する厳格な規制を盛り込む方針を示した。
フェイスブックは同日公表した「未来への展望:オンラインコンテンツ規制」と題する提案書で、違法・有害情報対策ではグローバルな政策が必要で、情報の「媒体」にすぎないインターネット企業にプラットフォーム上のコンテンツに対する責任を負わせた場合、言論の自由が制限される恐れがあると指摘。違法コンテンツを排除する基準やシステムを確保したうえで、当局への定期的な報告を義務付けるといった規制にとどめるべきだとの主張を展開した。
欧州委のブルトン委員(域内市場担当)はザッカーバーグ氏との会談後、フェイスブックの市場シェアを考えると同社の提案は「十分ではない」と指摘。「欧州で展開するプラットフォームが欧州委の求める条件を尊重しないのであれば、より厳格な方法で介入しなければならない」と警告した。また、ヨウロヴァ副委員長(価値・透明性担当)は「フェイスブックはすべての責任から逃れられない。有害なコンテンツを排除するための取り組みをさらに強化してもらいたい」と述べた。