欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2020/2/24

EU情報

「MiFIDⅡ」修正に向け協議開始、欧州委が「統合テープ」構築提案

この記事の要約

欧州委員会は17日、より安全で安定的な金融システムの構築を目的とした金融規制「第2次金融商品市場指令(MiFIDⅡ)」の修正に向けた公開協議を開始した。

MiFIDⅡは金融危機後の金融規制改革の一環として、2018年1月に施行された金融・資本市場の包括的な規制。

MiFIDⅡの見直しではプラットフォームを横断して銘柄や取引価格、執行市場名など直近の取引情報を表示する統合テープシステムの構築が「最優先課題」であり、「市場データへのアクセスを民主化するための大きな一歩」と説明。

欧州委員会は17日、より安全で安定的な金融システムの構築を目的とした金融規制「第2次金融商品市場指令(MiFIDⅡ)」の修正に向けた公開協議を開始した。株取引のコストを下げて投資家の市場参加を促すため、全ての取引プラットフォームをリアルタイムでつなぐ「統合テープ(consolidated

tape)」と呼ばれる電子システムの構築を提案している。4月20日まで意見募集を行い、結果を踏まえて修正案をまとめる。

MiFIDⅡは金融危機後の金融規制改革の一環として、2018年1月に施行された金融・資本市場の包括的な規制。金融市場の構造変化への対応や、市場の透明性確保などに主眼が置かれており、それまで規制の枠外にあった債権やデリバティブ(金融派生商品)などの投資商品や、私的プラットフォーム上での取引が幅広く規制されるようになった。

欧州委は現行指令について、「全体としてはうまく機能しているが、資本市場への投資家の参加を促進し、EU金融センターの競争力維持と投資家保護の適正なバランスを確保するには一定の調整が必要かもしれない」と指摘。MiFIDⅡの見直しではプラットフォームを横断して銘柄や取引価格、執行市場名など直近の取引情報を表示する統合テープシステムの構築が「最優先課題」であり、「市場データへのアクセスを民主化するための大きな一歩」と説明。統合テープの構築を妨げている要因を探り、必要な対策を講じる必要があるとして、各方面に議論を呼びかけた。