欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/25

西欧

カールスバーグ、ロシアの販売不振で14年は減益に

この記事の要約

欧州ビール大手のカールスバーグは20日、主要市場であるロシアでの販売が不調で、2014年が減益になるとの見通しを示し、同国内のビール工場の一部の閉鎖を検討していることを明らかにした。 同日発表した2014年4~6月期(第 […]

欧州ビール大手のカールスバーグは20日、主要市場であるロシアでの販売が不調で、2014年が減益になるとの見通しを示し、同国内のビール工場の一部の閉鎖を検討していることを明らかにした。

同日発表した2014年4~6月期(第2四半期)の純利益は22億1,000万クローネ(約2億9,600万ユーロ)で、前年同期の20億7,000万クローネから小幅ながら増加。売上高も190億6,000万クローネから192億クローネに伸びた。売上の3割を占めるロシアでの販売が、アルコール規制の強化、経済減速の影響で落ち込んだが、西欧の販売が伸び、増収増益を確保した。

ただ、カールスバーグは通期について、ロシア事業がウクライナ問題をめぐる欧米の制裁で景気悪化が避けられないことから、ビール消費量が10%落ち込むと予想。これによって同社は5~9%程度の減益になるとの見通しを示した。

カールスバーグはロシアのビール最大手で、傘下の「バルチカ」ブランドは同市場で1位のシェアを持つ。それだけに、同国事業の不振は経営に大きな影響をもたらす。このため、同社はロシアで合理化を進める方針で、10カ所にある工場の一部の閉鎖を検討しているという。

一方、オランダ同業のハイネケンが同日発表した2014年6月中間決算の純利益は6億3,100万ユーロとなり、前年同期から1.3%減少した。ユーロ高で利益が目減りした。売上高は1.4%減の101億9,600万ユーロだったが、為替変動など特別要因を除くと4.6%の増収だったという。

ハイネケンもロシアでの販売が減少しているが、同国事業が売上高に占める割合は小規模にとどまることから、通期の業績に大きな影響はないとしている。