格付大手のスタンダード&プアーズ(S&P)はこのほど、ハンガリーの格付け見通しを「安定的」から「強含み(ポジティブ)」に引き上げた。信用格付けは「BBB」に据え置いた。
見通しが改善した理由としてS&Pは、2019年1~9月期の国内総生産(GDP)成長率が5.1%と好調であったことを挙げた。今年の成長率はやや下がるものの、対外的な条件が悪化しなければ3.5%と好調を維持すると予想している。また中欧で最大規模の同国の政府債務について、経済成長と財政引き締めにより縮小していくとの見方を示した。
格付けを据え置いた理由としては、◇輸出主導型の同国経済は強靭で対外的な条件にも恵まれている◇民間債務が少なく柔軟な為替政策をとっている――ことを挙げた。
懸念材料としては外国企業の負担が大きい産業分野別の課税措置を挙げ、長期的に経済成長の障害になりうるとの見方を示した。