露航空機メーカーUAC、スホイをイルクートの傘下に

ロシア国営ユナイテッド・エアクラフト(UAC)はこのほど、傘下の民間航空機メーカー、スホイ・シビル・エアクラフト(GSスホイ)を同じく傘下の同業イルクート・コーポレーションの子会社とすることを明らかにした。GSスホイが生産する民間航空機「SSJ100」については、イルクートが開発と生産を引き継ぐ予定。本社をモスクワ、工場を極東のコムソモーリスク・ナ・アムーレに置く体制は維持する。

UACは航空機の無線電子機器を扱うUACインテグレーションセンター(UAC-IC)もイルクートの子会社とする予定。今回の再編はUACの民間航空機生産部門立ち上げに伴うもので、同社は再編により研究開発と生産が集約され、アフターセールスの改善や運営の効率化などにつながるとしている。

新部門では将来的にSSJ100シリーズのほか、イルクートが新たに開発した双発中距離機「MS-21」を生産する予定。同機についてはこれまでに4つの試作機がテスト飛行を実施している。

GSスホイに関しては、ロイター通信がこの2月にSSJ100の受注低迷について報じていた。SSJ100は旧ソ連崩壊後に初めてロシアで生産された民間機で、2011年から商業飛行を開始した。しかし昨年モスクワで41人が死亡する事故を起こしたほか、スペアパーツの供給が遅れるなどアフターサービスにも課題を抱えており、現在運用されている機体の数は142機にとどまっている。同社は航空最大手アエロフロートに対し、年内に最大17機の引き渡しを行うことになっているが、関係者によると2026年までに100機をリースで供給するアエロフロート以外の受注はないもようだ。

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