エネルギー大手の独EnBWは19日、電動車用の超急速充電網の構築・運営でオーストリア充電網事業者スマトリクス(SMATRICS)と協業すると発表した。ドイツとオーストリアで電動車の普及を後押しすることが狙い。
合弁会社スマトリクス・モビリティ+を設立し、オーストリアで超急速充電ステーションを拡充する。新会社はスマトリクスが墺の高速道路と都市部に持つ充電ステーション250カ所(うち100カ所は急速充電ステーション)の運営も引き受ける。独禁当局の承認を得て年内に事業を開始する計画だ。
新会社では最大出力300キロワット(KW)の充電設備を整備していく。5分の充電で100キロを走行できるようにする考えだ。
EnBWはドイツ最大の高速充電網事業者で、同充電スタンド数は340カ所強、建設中のものは同140カ所強に上る。スマトリクスとの協業によりオーストリアにも本格進出し事業の国際化を進める。
電動車は長年、航続距離の短さと車両価格、充電設備の少なさが普及の足かせとなってきた。最近は航続距離と価格の問題は解消に向かっているものの、充電網の普及は依然として遅れており、その拡充な緊急の課題となっている。