スペインの通信会社マスモビルは1日、プライベートエクイティ(PE)ファンドの米KKR、プロビデンス・エクイティ・パートナーズ、英シンベンによる買収で合意したと発表した。3社は株式公開買い付け(TOB)を実施し、29億6,000万ユーロでマスモビルの過半数株式を取得する。
1株当たりの買い取り価格は22.5ユーロ。前営業日(5月29日)の終値に20%を上乗せした水準となる。全株式を取得した場合の買収額は、債務引き受けを含めて50億ユーロ規模に達する見通しだ。
マスモビルは1997年に創業。携帯電話、固定電話、インターネット接続サービスを展開している。格安サービスで急成長を遂げ、スペイン4位の通信会社となった。携帯電話サービスでは14%のシェアを持つ。
PE3社は競争が激化している欧州通信市場で健闘しているマスモビルのさらなる成長に期待し、買収を決めた。すでにプロビデンスはマスモビルの株式9.16%を保有している。