国際通貨基金(IMF)は24日に発表した最新の世界経済見通しで、ユーロ圏の2020年の予想成長率をマイナス10.2%とし、前回(4月)の7.5%から2.7ポイント下方修正した。21年についてはプラス6%とし、前回の4.7%から1.3ポイント引き上げた。(表参照)
IMFは4月中旬、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、経済活動が停滞していることを受けて、世界全体の2020年の予想成長率をマイナス3.0%とし、前回(1月)のブラス3.3%から6.3ポイント下方修正していた。今回の予測では、多くの国・地域で経済・社会活動が再開されつつあるものの、投資や個人消費の冷え込みが続くのは避けられないとして、マイナス4.9%に下方修正した。
とくに先進国で大きく落ち込むとしており、ユーロ圏主要国の20年の予想成長率はドイツがマイナス7.8%、フランスが同12.5%、イタリアとスペインが同12.8%となった。それぞれ前回から0.8ポイント、5.3ポイント、3.7ポイント、4.8ポイントの幅で引き下げた。米国はマイナス8.0%、英国は同10.2%、日本は同5.8%で、それぞれ2.1ポイント、3.7ポイント、0.6ポイントの下方修正となった。
主要経済国では中国が唯一、1.0%のプラス成長になると予想しているが、成長率は前回から0.2ポイント引き下げられた。