欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/8

EUその他

EU、UHF帯の無線ブロバン活用を提言

この記事の要約

EUは1日、UHF帯(700MHz帯)の有効活用に関する報告書を発表した。現在は地上波放送に使用されているこの帯域を「一等地」と位置づけ、スマートフォンユーザーの増加などによる大容量の無線通信需要に対応するため、2020 […]

EUは1日、UHF帯(700MHz帯)の有効活用に関する報告書を発表した。現在は地上波放送に使用されているこの帯域を「一等地」と位置づけ、スマートフォンユーザーの増加などによる大容量の無線通信需要に対応するため、2020年までに全周波数をワイヤレスブロードバンド通信に振り向けるよう求めている。

世界貿易機関(WTO)の前事務局長で、欧州委員を務めたこともあるパスカル・ラミー氏がまとめたこの報告書は、「欧州デジタルアジェンダ」に掲げているブロードバンド普及目標を三段階に分けて実現することを提言。◇20年までに700MHz帯(694―790MHz)を欧州全域でワイヤレスブロードバンド通信専用とする◇地上波放送事業者に対する残りの700MHz以下のUHF帯の規制上の安全と安定を30年までに確保する◇25年までに技術と市場の発展を評価するレビューを作成する――としている。欧州委のクルース委員(デジタルアジェンダ担当)は、報告書について、「高速ワイヤレスブロードバンドがどこでも使えるようにするための道筋をつけ、地上波放送に対して安定した予測可能な未来を保証するものだ」と述べた。

クルース委員はまた、ワイヤレスマイクが使用する周波数帯の統一に関する新たなルールと、加盟国による無線周波数の利用の現状と将来の展望に関する報告書を発表し。これらはUHF帯の有効活用に関する報告書と併せ、欧州におけるブロードバンド通信、放送、その他のワイヤレスサービスの未来を確実するものであるとの認識を示した。