欧州委がグーグルのフィットビット買収に疑義、本格調査を開始

欧州委員会は4日、米グーグルが米ウエアラブル端末メーカーのフィットビットを買収する計画について、本格的な調査を開始したと発表した。グーグルがフィットビットのデータを使ってオンライン広告市場での優位を一段と高めることなどを懸念したもので、詳細な調査を行った上で買収を承認するかどうかを最終判断する。

フィットビットは運動量や歩数、脈拍、睡眠状態などを計測できる活動量計型のウエアラブル端末の生産・販売を手がける企業。グーグルは2019年11月、同社を21億ドルで買収すると発表した。

欧州委は同買収について、フィットビットが収集する利用者の情報をグーグルが入手することで、同社が欧州の検索広告市場で有利となり、寡占が強まることや、グーグルがスマートフォン向け基本ソフト「アンドロイド」の相互運用性を弱め、他のウエアラブル端末メーカーのサービスを妨害する恐れがあると判断。初期調査での承認を見送り、改めて詳細な調査を実施することを決めた。

グーグルは初期調査の段階で、フィットビットのデータをオンライン広告に活用しないと明言したが、欧州委は約束だけでは競争上の懸念が払しょくされないとして、承認しなかった。欧州委は12月9日までに買収の可否を最終判断する。

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