EU統計局ユーロスタットが5日に発表したユーロ圏の6月の小売業売上高(速報値・数量ベース)は前年同月比で1.3%増となり、2月以来のプラスに転じた。新型コロナウイルス対策として各国が実施した社会・経済活動制限が緩和されたことで客足が戻り、復調が進んでいる。(表参照)
ユーロ圏の6月の小売業売上高はコロナ禍の影響で3月に8.2%、4月に19.4%の幅で低下した。制限緩和が始まった5月に下げ幅が3.1%に縮小し、復調の兆しが出ていた。前月比では6月に5.7%増となり、2カ月連続で伸びた。
分野別では食品・飲料・たばこが1.2%増、非食品が3.9%増。非食品は4か月ぶりのプラスとなった。不要不急として買い控えが広がっていた電化製品・家具が2.6%増えた。逆に「巣ごもり需要」で急増していた通信販売は上げ幅が縮小した。
EU27カ国ベースの小売業売上高も1.3%増。主要国はドイツが3.2%増、フランスが5%増だった。イタリアは5.2%減、スペインは4.4%減となったが、下げ幅はそれぞれ前月の14.7%、17.8%から縮小した。