スペイン大手銀行のカイシャバンクとバンキアは3日、経営統合に向けた協議を行っていることを明らかにした。実現すれば資産額が6,500億ユーロに上り、国内金融市場で最大手バンコ・サンタンデール、2位バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)を抜いて最大の銀行が誕生する。
スペインでは金融危機に直面した2008年から銀行の統合が進み、銀行の株は55行から12行に減少した。超低金利の長期化とコロナ禍で経営環境が悪化する中、政府はさらなる統合によって業界の体力を強化し、金融システムを安定化させたい意向を示している。
バンキアは12年に経営不安が深刻化し、政府が224億ユーロの公的資金を注入して救済した銀行。政府が株式61.8%を保有している。今回の統合は、規模で勝るカイシャバンクがバンキアを株式交換によって事実上、吸収する形になると見られる。
消息筋によると、協議は進展しており、近日中に合意を発表する見込み。誕生する新銀行の最高経営責任者(CEO)にはカイシャバンクのゴルタザールCEO、会長にはバンキアのゴイリゴルサリ会長が就任する方向で固まっているという。