トルコ、AIベースの輸出情報プラットフォームが運用開始

トルコのペクチャン貿易相はこのほど、輸出関連情報を提供する「簡易輸出プラットフォーム」の第1弾の運用を開始したことを明らかにした。同プラットフォームは人工知能(AI)などの技術を用いて輸出事業者が必要とする情報を適宜提供し、輸出の増加につなげることを目的としたもの。現在開発中の第2弾については年内に運用開始の予定だ。

プラットフォームのシステムには製品に合った輸出先の情報を適宜選択する「スマート輸出ロボット」と呼ばれるAIツールが組み込まれており、190カ国・5,400種類の製品に関する1千万以上のデータが検索できる。ペクチャン貿易相によると、国内で輸出を志向する9万社と3百万以上の中小企業を主な対象とする同プラットフォームは、諸外国の同様のデータベースよりも扱う情報の範囲と使い勝手の良さで優れているという。

同プラットフォームでは、国連や世界銀行が持つ国別及びセクター別の情報が、輸出先としてのポテンシャルを示す指標とともに提供される。また他のウェブサイトで提供される情報は基本的にすべて表示されるほか、貿易省の手引きを元に税関申告の注意点などより詳細な情報を企業が入手することができる。さらに、在外公館管理システムを通して得られる諸外国の貿易コンサルタントからの情報もシステムに統合されている。

同プラットフォームを通し得られる情報には、輸出先、輸出品、そして輸出先での潜在的な市場シェアなどがある。企業の輸出実績を考慮しつつ、各市場での事業の持続可能性や参入の容易さなどを判断し、対象国を指標化しているのが特徴だ。

同プラットフォームには「スマート輸出ロボット」のほか、市場参入マップや国別ページが設けられており、対象国の社会経済的な指標や、ライバルとなりうる企業の市場シェア及び規模といった情報が含まれている。また関税率、非関税障壁、原産地証明などの必要書類、貿易データなども確認することができる。

第2弾ではAIを利用したチャットボットが導入され、企業はいつでも回答を得られるようになる予定だ。

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