英BPが米で洋上風力発電に参入、エクイノールから権益取得

英石油大手BPは10日、ノルウェー石油最大手のエクイノールから米国の洋上風力発電プロジェクト2件の権益50%を11億ドル(約1,170億円)で取得することで合意したと発表した。BPは既に米国で陸上風力発電を手がけているが、新エネルギー分野の事業拡大を加速させる長期戦略の一環として、新たに洋上風力発電事業に本格参入する。

BPが取得するのは、エクイノールが開発を進めているニューヨーク沖の洋上風力発電基地「エンパイア」とマサチューセッツ沖の「ビーコン」の権益。両プロジェクトを合わせた発電容量は最大4.4ギガに達し、200万を超える世帯の電力需要を賄うことができる。両社は2021年初めの取引完了を見込んでいる。

BPは事業活動で生じる温室効果ガスの排出量を50年までに実質ゼロにするとの目標を掲げている。8月には30年までに低炭素エネルギー分野への投資を現在の10倍にあたる年間50億ドルに拡大し、国際石油会社から総合エネルギー企業への転換を図る戦略を発表。今後10年間で石油とガスの生産量を4割縮小する一方、再生可能エネルギーによる発電量を20倍の50ギガワットに増やす目標を設定している。

BPのバーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)は声明で、洋上風力発電事業への参入は「新たな戦略の実現に向けた重要な初期の一歩だ」と強調。エクイノールと米国での洋上風力事業で戦略提携を結び、今回の取引対象以外のプロジェクトでも協力していく方針を示した。

上部へスクロール