スペイン通信最大手のテレフォニカは16日、次世代の移動通信規格「5G」を用いた通信システムで楽天モバイルと提携したと発表した。基地局設備をオープン化する「オープンRAN」と呼ばれる無線アクセスネットワークの推進などで連携する。
オープンRANは基地局整備に必要な機器の供給を大手1社から全面的に受ける従来のシステムと異なり、要素ごとに分離して、中小企業を含む複数のメーカーから調達し、組み合わせて利用するもの。中国の華為技術(ファーウェイ)、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアといった世界的な通信機器大手に頼らず、低コストで基地局整備を進めることが可能となる。
楽天モバイルは初めてオープンRANを導入した携帯電話サービス会社。テレフォニカもブラジル、ドイツ、スペイン、英国で試験的に導入している。両社は人工知能(AI)活用の研究やオープンRANのアーキテクチャー(構成)に関する実証実験や、オープンRANの機器、ソフトウェアの共同調達などで提携する。