ポーランド電子商取引最大手のアレグロは14日、ワルシャワ証券取引所に10月に上場する計画を明らかにした。時価総額100億~120億ユーロを想定しており、実現すれば同国の新規株式公開(IPO)として過去最大となる。調達資金で債務の一部を返済する方針だ。
計画によると、アレグロは10億ズロチ(約2億2,500万ユーロ)相当の新株と、既存株主の持ち株の一部を売却する。公開される株式の割合は未決定だが、消息筋によると20~25%になる見通しという。
アレグロの主要株主はペルミラ、シンヴェン、ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(MEP)の投資会社3社。このほか、経営陣が株式を保有する。投資会社3社は2016年に南アフリカのナスパースから32億5,000万米ドルでアレグロを買収した。
アレグロは1999年の創業。実際に同社のサイトを通じて買い物をしているアクティブ・バイヤーは約1,230万人に上る。卸・小売を合わせて、11万7,000社が出店する。今後は翌々日配達が可能な商品の割合を拡大させるほか、フィンテック事業の強化を予定している。
同社の2019年の売上高は23億9,000万ズロチ、純利益は3億9,900万ズロチ(8,970万ユーロ)だった。
ポーランド経済は1992年以降、コロナ禍でつまずくまでプラス成長を続けてきた。過去10年で中間所得層が大きく拡大したが、小売業の売上高に占めるオンライン取引の割合は8%に過ぎず、大きな成長の余地がある。
これまでのポーランドのIPOでは2010年のPZU(保険会社)が最大規模で、調達額は21億ユーロに上った。