新型コロナ感染再拡大に歯止めかからず、スペイン・蘭も対策強化

欧州で新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めがかからず、英国やフランスに続いてスペイン、オランダ、ドイツなどが相次いで移動制限や営業時間の短縮をはじめとする規制を導入した。

スペイン政府は1日、過去14日間で人口10万人当たり500人以上の新規感染者が出た全ての地域を対象に、通勤・通学や通院などを除いて住民が自治体を出入りすることを原則として禁止すると発表した。これに基づき、首都マドリードと周辺地域で2日、移動制限が実施された。同措置は当面14日間維持され、マドリードと周辺の9自治体の約450万人が影響を受ける。対象となる自治体ではレストランなど飲食店の営業時間も午後11時までに短縮され、入店できる人数も制限される。

欧州疾病予防管理センター(EDCD)によると、過去14日間の10万人当たりの新規感染者数はスペイン全土の平均が約300人なのに対し、マドリードでは730人に上った。同市では中心部など一部の地区で9月下旬から移動制限が実施されていたが、今回の措置で対象エリアが大幅に拡大された。

一方、オランダ政府は9月28日、レストランやバーなどの営業を午後10時までに制限するほか、スポーツの現地観戦を禁止し、野外イベントの人数を最大40人に制限するなどの措置を導入した。制限措置の適用期間は29日から3週間。在宅勤務も引き続き推奨する。

また、アムステルダムなど大都市では公共の場でのマスク着用を義務付ける。同国はこれまで一貫してマスクに感染防止の有効性はないとの立場だったが、議会や連立与党内からも厳格な対応を求める声が高まっていたことを受け、方針転換した。

EDCDによると、オランダでは10月に入り1日の感染者数が3,000人を超えており、4月の1,300人前後を大きく上回っている。

このほかドイツでは1日の感染者数が2,000人を超える日が続いたことで、29日から新たにパーティーの参加人数を制限するなどの措置が導入された。過去7日間に10万人当たりの新規感染者数が35人を超えた地域では、パーティーの人数が最大50人に制限される。感染者数が50人を超えた場合は、上限が25人となる。

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