ロシアと中国が共同で建設しているアムール川自動車道橋が、11月にも開通する見通しだ。地元アムール州のオルロフ知事がこのほど明らかにした。同橋は昨年11月に完成し4月の一般通行開始を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されている。
ロシア極東のブラゴヴェシチェンスクと対岸の中国・黒河市を結ぶアムール川自動車道橋の建設は、1995年の両国合意に基づき2016年12月に着工した。全長1,080メートルで、区間距離19.9キロメートルの2車線高速道路に組み込まれる。投資額は約3億ドル。
極東地方では両国間の貨物輸送が冬季の気象状況に影響されてきたが、新自動車橋を利用する新たな交通ルートの完成で大きく改善される。コズロフ極東開発相によると、年間貨物輸送量はこれまでの8倍の400万トンに拡大することが予想される。
アムール川自動車道橋は当面、貨物トラックの利用に限定されるが、観光バスなど旅客交通にも利用できるよう、2022年には相応の施設整備を行う計画だ。ロシアとしてはこれによって中国極東からの旅行者が200万人に増加し、観光業の活性化につながると期待している。