テリアが国際通信事業を売却、負債削減と配当に売却益充当

スウェーデンの通信大手テリアは6日、国際通信事業のテリア・キャリアをインフラ分野に特化した投資会社プールヘム・インフラに売却することで合意したと発表した。売却額は94億5,000万スウェーデンクローナ(約1,135億円)。売却益は負債削減の原資に充てるほか、3月に引き下げた配当金を元の水準に戻す。

テリアは収益性の低い海外事業を売却して経営の合理化を進めており、6月にはトルコ携帯電話サービス最大手トゥルクセルの保有株を5億3,000万ドルで売却した。今回の取引もそうした戦略の一環で、売却するテリア・キャリアは全長6万5,000キロメートルに及ぶ世界最大規模の光ファイバー網を運営している。

売却先のプールヘム・インフラは、スウェーデンの公的年金基金(AP-fonden)の運用を担う3つの基金(AP1、AP3、AP4)が2019年に共同で設立した投資会社で、北欧に拠点を置くエネルギー、輸送、通信分野の企業が主な投資対象となっている。

テリアは新型コロナウイルスの影響でメディア事業の広告収入が激減したことを受け、3月に配当金を2.45クローナから1.80クローナに引き下げた経緯がある。アリソン・カークビー最高経営責任者(CEO)は「売却益の大半をバランスシートの改善に充て、財務基盤を強化して株主還元を進める」と述べた。

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