スペインのコロナ感染者100万人突破、非常事態を再宣言

欧州で新型コロナウイルス感染の再拡大に歯止めがかからない。とくにスペインは深刻な状況で、21日にEU加盟国で初めて感染者が100万人を突破した。これを受けて同国政府は25日、非常事態を再宣言し、ほぼ全土で夜間の外出を禁止すると発表した。

スペイン保健省の21日の発表によると、過去24時間の新型コロナ新規感染者は1万6,973人。これによって国内で最初の感染者が確認された1月31日以降の感染者は100万5,295人に達した。感染者が100万人を超えたのは米国、インド、ブラジル、ロシア、アルゼンチンに次ぐ6カ国目だ。

スペインは3~6月に市民の外出制限や生活に不可欠ではない店舗や工場を閉鎖するロックダウン(都市封鎖)措置を実施。その効果で一時は感染者が減ったが、再び増加に転じ、8月後半から1日当たりの新規感染者が1万人を超える日が続出している。6月末にロックダウンが解除され、夜遊びが再開されたことや、感染者と濃厚接触した人を確認するシステムが十分に機能していないことが要因とされる。

政府は首都マドリードと周辺地域で2日から移動制限を実施するなど、感染防止対策を強化していた。それでも感染者増加を抑えられないことから、再び非常事態を宣言。25日からカナリア諸島を除く全土で、午後11時から午前6時まで外出を禁止する。仕事や薬の購入など外出が不可欠な場合は認められる。

非常事態の期間は15日間だが、サンチェス首相は週内に6カ月延長を議会に提案する意向を表明した。

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