ノルウェーの格安航空会社(LCC)ノルウェー・エアシャトルが、コロナ禍の影響で破産の危機に直面している。ノルウェー政府は9日、同社への追加支援を拒否すると発表。これを受けて同社は10日、2021年3月までに手持ちの資金が尽き、存続できなくなるとの見通しを示した。
ノルウェー・エアシャトルは1993年に地域航空会社として設立され、2002年にLCCに転換した。オスロ、ストックホルムなどを拠点に、欧州内の主要都市を結ぶ短距離路線のほか、北アフリカ、中東、米国、アジア向けの中・長距離路線も展開し、欧州で3位のLCCに成長した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で運航数が激変し、経営難が深刻化している。
ノルウェー政府は3月に同社への支援を実施したが、要請を受けていた追加支援は拒否した。同社が事業拡大によって多額の負債が生じ、利付債務だけで485億ノルウェークローネ(約5,700億円)と、世界の航空会社で最高レベルの水準に達していることで、公的支援のリスクが高すぎると判断したためだ。
同社のジェイコブ・シュラム最高経営責任者(CEO)は10日の記者会見で、手持ち資金が9月末時点で34億ノルウェークローネにとどまっていることに言及し、このままでは21年4月以降に営業できなくなると指摘。追加支援の必要性を訴えた。