フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は17日、米投資情報サービス会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)を買収すると発表した。ISSはこのところ重要性を増しているESG(環境・社会・企業統治)に関する情報に強みを持つ企業。ドイツ取引所は同社を買収することで当該事業を強化し、先行するロンドン証券取引所グループなどを追撃する。
ドイツ取引所はISSの約80%の株式を投資会社ジェンスター・キャピタルから取得する。取引はISSを22億7,500万ドルと評価して実施することから、買収金額は約18億ドルとなる。2021年上期の買収手続き完了を見込んでいる。
鉱物採掘現場や縫製業の低賃金や劣悪や労働環境、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する石炭発電や鉄鋼業などに対する批判は近年、急速に強まっている。これを受けて投資家の間でも企業が持続可能性原則を順守しているかどうかに対する関心が増大。企業に対する投資をESG情報に基づいて行う傾向が強まっている。
ドイツ取引所はISSを傘下に収めることで、ESGデータとランキングの有力企業に浮上。ESG評価の高い企業で構成される株価指数などを拡充していく。