新型コロナウイルス感染拡大の影響で深刻な経営難に陥っているノルウェーの格安航空会社(LCC)ノルウェー・エアシャトルは18日、アイルランドの裁判所に会社更生法の適用を申請したと発表した。管財人の管理下で営業を続けながら、再建を目指す。
ノルウェー・エアシャトルは1993年に地域航空会社として設立された航空会社。2002年にLCCに転換し、欧州3位のLCCに成長したが、事業拡大に多額の資金を投じ、債務が膨れ上がっていたため、コロナ禍前から経営が不安視されていた。
同社はコロナ感染拡大による渡航制限で収入が激減し、破産の瀬戸際に追い込まれたため、3月にノルウェー政府から30億ノルウェークローネ(約350億円)の融資保証を取り付けた。政府に追加支援を要請したが、11月初めに拒否されたため経営に行き詰まり、会社更生手続きに入ることを決めた。
同手続きの対象となるのは、主力の国際便運航と航空機管理を担う2子会社。両社ともアイルランドを拠点としていることから、同国の裁判所に手続きを申請した。
同社が現在運航しているのはノルウェーの国内線だけで、運用する140機のうち使用されているのは6機にとどまっている。ドル箱である大西洋路線など長距離路線の運航が再開されれば経営が一気に好転するとして債権者を説得し、9月末時点で485億ノルウェークローネに上る債務の再編やつなぎ資金の確保に努め、存続を図る。