スウェーデン中銀が量的緩和拡大、実施期間も半年延長

スウェーデン中央銀行は26日、量的金融緩和策の柱となる資産購入プログラムの拡大を発表した。国債などの買い入れ枠を2,000億クローナ(約2兆4,460億円)増やして7,000億クローナとし、実施期間も2021年12月31日まで6カ月延長する。新型コロナウイルスの感染再拡大で行動制限が強化される中、追加緩和で経済を下支えする。

今回新たに政府が発行する短期証券とグリーンボンド債を買い入れ対象に追加する方針も決めた。一方、政策金利(レポ金利)は0%で据え置く。ゼロ金利政策は「今後数年間続く」との見通しも示した。

欧州では新型コロナの感染再拡大を受け、各国がロックダウンを含む規制を再導入している。スウェーデンも24日から公共の場での9人以上の集会を禁止しており、厳しい行動制限を課さない独自路線から方針転換した。規制強化に舵を切ったことで景気回復が遅れると予想されており、中銀は予想を超える量的緩和に踏み切ったとみられる。エコノミストらは1,000億クローナの拡大を予想していた。

中銀は声明で「引き続き新型コロナが世界経済の動向を支配している。スウェーデンも他の多くの国と同様、今後6カ月の成長見通しを下方修正した。インフレも今後数年間にわたり、想定よりやや低い水準で推移するとみている」と説明。「資産購入プログラムの規模拡大と期間延長により、包括的な資金繰り支援を必要な期間継続する」と表明した。

スウェーデン中銀は3月に国債や地方債、企業のコマーシャルペーパー(CP)などを買い入れる量的緩和策を導入。7月に買い入れ枠を3,000億クローナから5,000億クローナに引き上げたほか、実施期間を21年6月末まで半年延長した。

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