ドイツのメルケル首相は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全土で本格的なロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。16日から1月10日まで大半の小売店の営業を禁止する。学校も閉鎖となる。
ドイツは11月2日から30日まで限定的なロックダウンを実施してきた。しかし、新型コロナ感染に歯止めがかからず、11日の新規感染者は3万人近くに達し、死者は598人に上った。メルケル首相は買い物や人の交流が活発化するクリスマス期に感染がさらに拡大する恐れがあることから、社会・経済活動を制限する措置の強化が不可欠と判断した。
これまでのロックダウンは限定的なもので、飲食店は持ち帰り、宅配に限った営業しか認められなかったが、学校や商店は閉鎖対象となっていなかった。ロックダウン強化によって、スーパーや薬局など生活維持に不可欠な店を除いて営業禁止となるほか、学校が休校となる。家族間同士の交流も厳しく制限される。大晦日の花火打ち上げを防ぐため、31日まで花火販売を禁止することも決めた。
政府は休業を迫られる事業者への支援として、1カ月の固定費の最大90%(50万ユーロが上限)に相当する額を給付する。給付総額は110億ユーロ程度に達する見通しだ。